FlexIDは、最新のICRP(国際放射線防護委員会)内部被ばく線量評価モデル(放射性核種の職業上の摂取(OIR: Occupational Intakes of Radionuclides))に対応した計算コードである。
ICRP2007年勧告に基づく体内動態モデルを臓器・組織毎に組合せ、放射性核種の子孫核種も含めた人間の体内での移行を計算し、体内残留放射能、臓器・組織における積算放射能、尿中・糞中の排泄放射能、等価線量率、及び等価線量の時系列データ、並びに預託実効線量を計算する。
入力データの変更だけで体内動態モデル(多コンパートメントモデル)の組合せ、接続パス、及び移行係数等を変更でき、体内動態モデルの変更に迅速に対応可能な汎用コードである。 例えば、ICRPで適用されている標準人のモデルに対して、日本人固有の甲状腺へのヨウ素の移行係数の適用も入力データの変更だけで容易に対応できる。
なお、FlexIDの妥当性確認として以下の核種について、FlexIDとICRP(ICRP Publication134,137,141)の計算結果を比較し、それらが一致することを確認した。
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対象核種: H-3, C-14, Ca-45, Fe-59, Zn-65, Sr-90(Y-90), Tc-99, I-129, Ba-133, Cs-134, Cs-137(Ba-137m), Ra-223, Ra-226, Pu-238, Pu-239, Pu-240, Pu-241, Pu-242 (括弧内は子孫核種)
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摂取経路: 経口摂取, 吸入摂取
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化学形態: 元素ごとにICRPで体内動態モデルが定義されている全ての化学形態
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確認対象とした計算結果: 残留放射能, 排泄放射能, 預託実効線量換算係数
また、試験的に現行ICRPの「公衆」に対する計算機能をFlexIDに実装し、Sr-90の経口摂取における計算結果の妥当性を確認した。その結果、FlexIDとICRPの計算結果が概ね一致することを確認した。
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対象核種(※2): Sr-90(Y-90)
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摂取経路: 経口摂取
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確認対象とした計算結果: 残留放射能, 排泄放射能, 預託実効線量換算係数
(※1) : 殆どの元素では成人を20歳としているが、アルカリ土類元素、鉛、トリウム、ウラン、ネプツニウム、プルトニウム、アメリシウム、及びキュリウムは例外で成人を25歳としている。これは、体内動態モデルの移行係数の一部が骨の形成速度と同等であり、これらの元素では約25歳まで移行係数が上昇すると推定されるためである。
(※2) : ICRP Publ.30(Part 1):全元素共通の胃腸管モデル(核種移行係数含む) / ICRP Publ.38:核崩壊データ(年齢別の比実効エネルギーSEE(Specific Effective Energy; OIRにおけるS係数)計算に使用) / ICRP Publ.60:放射線加重係数(SEE計算に使用) / ORNL/TM8381/V1-V7:年齢別の比吸収割合(SAF: Specific Absorbed Fraction) / ICRP Publ.67:ストロンチウムとイットリウムの組織系動態モデル(年齢別の核種移行係数含む)、f1値(年齢別の胃腸管から体液への吸収割合) / ICRP Publ.71:年齢別の膀胱からの排泄割合、組織加重係数(SEE計算に使用)、年齢別の臓器・組織の質量(SEE計算に使用)
以下のプログラムによって構成される。
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FlexID
FlexIDの入力GUIを提供する。
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FlexID.Calc
FlexIDの計算処理を実行する。
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FlexID.Viewer
FlexIDの計算結果を可視化する。
.NET Framework 4.6.2
- ICRP Publication 130
- ICRP Publication 133
- ICRP Publication 134
- ICRP Publication 137
- ICRP Publication 141
- ICRP Publication 151
- ICRP Publication 30 (Part 1)
- ICRP Publication 38
- ICRP Publication 56
- ICRP Publication 60
- ICRP Publication 67
- ICRP Publication 69
- ICRP Publication 71
- ICRP Publication 72
Copyright © MHI NSエンジニアリング株式会社
FlexIDは MIT license に基づいて現状のまま提供されます。詳細については、LICENSEを参照してください。


